あらすじ時はパルス暦三二〇年。北方のルシタニア国から、肥沃な大地と富を求めて軍勢がパルス国の領地に押し寄せる。しかし大陸に名をはせた、パルスの精鋭騎馬軍団が弱小ルシタニアの雑兵に負けるはずはない・・・パルス人たちは誰もがそう考えていた。しかし予想は裏切られた。奇妙な天候や周到な罠、そして決定的な味方の裏切りによって凄まじい大敗を喫するパルス軍。ルシタニア軍は虐殺をほしいままにし、多くの兵馬がアトロパテネの野に斃れた。
有力なパルスの将の多くも戦死し、アンドラゴラス国王すら行方知れずとなってしまう。わずかに残された希望は、国王のただ一人の息子である王太子アルスラーン、彼が百戦錬磨の将軍ダリューンの奮戦によって、ともに戦場を脱出できたことであった。
ルシタニアの侵攻を打ち破りパルスの平和をとりもどすべく、またアルスラーン自身が生き延びるべく、彼と彼の仲間たちは多くの敵と闘い、物語は綴られていく・・・