あらすじフランス革命以降、いまだ混乱のなかにある19世紀前半のフランス。ファンティーヌは3歳の娘・コゼットとともにパリ郊外の村・モンフェルメイユにやって来る。ファンティーヌはそこで出会ったひと組の母娘の微笑ましい光景を見つける。それはこの村で宿屋「ワーテルロー亭」を営んでいるテナルディエ夫人と娘のエポニーヌ、アゼルマの母娘が遊ぶ姿だった。その風景にファンティーヌは安心し、夫のテナルディエにも丸め込まれたこともあり、金を払って夫妻にコゼットを預け、仕事があるというモントルイユ・シュル・メールに旅立つ。
しかし、テナルディエ夫妻は相当な悪党だった。コゼットに家事を押し付け、「ワーテルロー亭」の使用人としてこき使って虐待する一方、ファンティーヌにコゼットの養育費と称しお金を請求する。さらに、テナルディエ夫妻の娘・エポニーヌとアゼルマもコゼットをいじめるようになる。それでもコゼットは母が迎えに来ると信じ、テナルディエ夫妻の息子・ガヴローシュと愛犬シュシュとともに辛い日々を乗り越えていく。
一方、ファンティーヌはモントメイユ・シュル・メールの市長・マドレーヌと出逢い、彼の経営する工場で女工として働き始めるが、人間関係のトラブルに見舞われマドレーヌの知らないところで工場を解雇されてしまう。娘のためにありとあらゆるものを売ってしまった彼女は、路上生活者になり果て、自分を解雇したマドレーヌを恨む日々を送るようになる。そんな冬の日、病に倒れてしまったところをマドレーヌに救われ、マドレーヌにコゼットをモンフェルメイユから連れ戻して欲しいと懇願し、彼もそれを了承するがマドレーヌには衝撃的な過去が隠されていた。
彼の本当の名はジャン・ヴァルジャン。一切れのパンを盗んだ罪で19年間も牢獄にいた服役囚だった。しかも、本人は気付かぬうちに少年の銀貨を盗んでしまったために現在も警察に追われていた。そんな彼を刑事・ジャヴェールが追い詰めていく。
紆余曲折はあったものの、ファンティーヌの約束を果たすべくモンフェルメイユに着いたジャン・ヴァルジャンは、クリスマス・イヴの夜、村外れの泉でついにコゼットを見つけ、擁護者でもあり彼女を虐待していたテナルディエ夫妻よりコゼットを引き取り、2人の新しい生活が始まる。